「2024-08-28 プロトコル別 断時間チューニング」の版間の差分
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君はこのドキュメントを[https://w.atwiki.jp/yougosq/pages/4624.html 参考にしてもいいし、しなくてもいい]。 | |||
== Cisco == | == Cisco == | ||
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対向側ピアでサブネットルートをフィルタリングしている場合に有効と思われる | |||
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|Enable | |Enable | ||
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|キープアライブタイマーを 60 -> 10 秒、 | |キープアライブタイマーを 60 -> 10 秒、 | ||
ホールドダウンタイマーを 180 -> 30 秒に変更する | ホールドダウンタイマーを 180 -> 30 秒に変更する | ||
フルルート環境だとここまで短縮している例は見た記憶が無い | |||
15 / 45 , 20 / 60 くらいが一般的と思う | |||
|- | |- | ||
|[https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/ios-xml/ios/iproute_bgp/configuration/15-mt/irg-15-mt-book/bgp_additional_paths.pdf BGP Additional Paths] (PIC-Edge) | |[https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/ios-xml/ios/iproute_bgp/configuration/15-mt/irg-15-mt-book/bgp_additional_paths.pdf BGP Additional Paths] (PIC-Edge) | ||
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特に無効時のフルルート環境はルートを受信し終わるまで、ルート未受信の宛先トラフィックがダウンし続けてしまう | |||
有効にすることで即時に FIB を切り替えられ、断時間を大幅に短くできるため、有効な機能といえる | |||
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スイッチではあまり対応していない | |||
|} | |} | ||
=== 用語解説 === | |||
==== [https://www.cisco.com/cisco/web/support/JP/docs/SW/CampusLANSWT-CoreDistribution/CAT6500SWT/CG/001/stateful_switchover.pdf SSO] = Stateful Switch Over. ==== | |||
ルータのルートプロセッサや、スイッチのスーパーバイザエンジンを、なるべく断時間が短くなるように切り替える仕組みのこと。 | |||
よくある勘違いとして、以下がある。 | |||
* 勘違い : 切替時は OSPF や BGP が隣接ルータでダウンしない | |||
** ダウンしても NSF Helper で転送させる、NSR でダウンさせないなどの対処が必要 | |||
* 勘違い : HSRP も SSO により短時間で切り替えられる | |||
** SSO Aware HSRP 機能が必要 | |||
** ない場合は数十秒単位でトラフィック断が発生する | |||
=== リファレンス === | === リファレンス === |
2021年10月20日 (水) 08:56時点における版
君はこのドキュメントを参考にしてもいいし、しなくてもいい。
Cisco
OSPF
カテゴリ | デフォルト | デフォルト設定 | 変更値 | 確認コマンド | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
NSF Helper | Enable | nsf cisco helper
nsf ietf helper |
- | show ip ospf
Cisco NSF helper support enabled |
隣接 NSF ルータがフェイルオーバーした際、自ルータが FIB を保持する |
NSF | Disable | - | nsf | show ip ospf
|
自ルータが SSO フェイルオーバーした際、
隣接ルータで OSPF が Down しても FIB を保持してもらう |
NSR | Disable | - | nsr | show ip ospf
|
実装難易度が高いため、低価格製品や IPv6 は対応していない場合が多い
常時 OSPF プロセスの状態を SSO Active と Standby で同期する 自ルータが SSO フェイルオーバーした際、 隣接ルータに影響を与えない
|
BGP | Disable | - | max-metric router-lsa on-startup wait-for-bgp | show ip ospf
|
再起動後、BGP の経路を受信し終わるまで、LSA のメトリックを最大にして、OSPF でトラフィックを処理しない |
timers | Enable | timers throttle spf 5000 10000 10000
timers throttle spf 50 200 5000 |
timers throttle spf 10 100 5000 | show ip ospf
Minimum hold time between two consecutive SPFs 100 msecs Maximum wait time between two consecutive SPFs 5000 msecs |
単位 msec
1:SPF 遅延 2:1つ目と2つ目の SPF 計算の間の遅延 3:最大遅延 OSPF はリンクダウン時に 6 秒程度の断時間が発生するが、これは最初の 5000msec の時間による
|
Enable | timers throttle lsa 0 5000 5000
timers throttle lsa 50 200 5000 |
timers throttle lsa 10 100 5000 | show ip ospf
Minimum hold time for LSA throttle 100 msecs Maximum wait time for LSA throttle 5000 msecs |
単位 msec
1 : 最初の LSA 生成遅延 2 : 最小 LSA 生成遅延 3 : 最大 LSA 生成遅延 OSPF はリンクダウン時に 6 秒程度の断時間が発生するが、これは最初の 5000msec の時間による
| |
Enable | timers lsa arrival 1000
Cisco IOS XE Everest 16.5.1b 以降 timers lsa arrival 100 |
timers lsa arrival 80 | show ip ospf
|
単位 msec
LSA の最小受信間隔
|
BGP
カテゴリ | デフォルト | デフォルト設定 | 変更値 | 確認コマンド | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
NSF /
NSF Helper |
Disable | - | bgp graceful-restart | show ip bgp neighbors <Peer_IP>
|
自ルータが SSO フェイルオーバーした際、隣接ルータで BGP が Down しても FIB を保持してもらう |
NSR | Disable | - | bgp graceful-restart
bgp sso route-refresh-enable
|
show ip bgp neighbors <Peer_IP>
|
実装難易度が高いため、低価格製品や IPv6 は対応していない場合が多い
常時 BGP プロセスの状態を SSO Active と Standby で同期する 自ルータが SSO フェイルオーバーした際、隣接ルータに影響を与えない
|
timers | Enable | bgp update-delay 120 | bgp update-delay 1 | - | 1 つ目のピアとセッションを確立したあと、最適経路選択・経路通知を遅延させる時間
SSO かつ VSS などのクラスタリング系技術で、論理ルータが 1 台のみの場合に使用し、再起動時のトラフィック断を減らすことが可能
|
Enable | bgp aggregate-timer 30 | bgp aggregate-timer 0 | - | 0 の場合、集約ルートの広報を即時行う
| |
Enable | timers bgp 60 180 | timers bgp 10 30 | show ip bgp neighbors
|
キープアライブタイマーを 60 -> 10 秒、
ホールドダウンタイマーを 180 -> 30 秒に変更する
| |
BGP Additional Paths (PIC-Edge) | Disable | - | bgp additional-paths select all
bgp additional-paths send receive neighbor <Peer_IP> additional-paths send receive |
show ip bgp neighbors
Additional Paths receive capability: advertised |
バックアップ BGP ルートを RIB に保持することで、アクティブな FIB ルートが削除された際、すぐに切り替えられる機能で、EIGRP のフィージブル サクセサと類似している
有効にすることで即時に FIB を切り替えられ、断時間を大幅に短くできるため、有効な機能といえる
有効時にピアが Down / Up するため、メンテナンス時間が必要
|
用語解説
SSO = Stateful Switch Over.
ルータのルートプロセッサや、スイッチのスーパーバイザエンジンを、なるべく断時間が短くなるように切り替える仕組みのこと。
よくある勘違いとして、以下がある。
- 勘違い : 切替時は OSPF や BGP が隣接ルータでダウンしない
- ダウンしても NSF Helper で転送させる、NSR でダウンさせないなどの対処が必要
- 勘違い : HSRP も SSO により短時間で切り替えられる
- SSO Aware HSRP 機能が必要
- ない場合は数十秒単位でトラフィック断が発生する
リファレンス
Change of Default OSPF and IS-IS SPF and Flooding Timers and iSPF Removal