「2023-12-01 12 万円から始める EPYC PC 生活」の版間の差分

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デスクトップ PC として AMD EPYC 搭載機を構築したので、選定理由も含めてまとめました。
== 現状のユースケース ==
Web ブラウジング
* Youtube / ニコニコ動画
3D ゲームはやらない、レトロを含む 2D ゲームはあり
* 2D 格闘ゲームで低遅延は狙う
== ハードウェア要件 ==
=== 必須要件 ===
多コア・多メモリにアップグレードできる
ディスクリート GPU
* 4K を含むマルチディスプレイ : できれば 4 つ
* 4K120fps 対応
* AMD FreeSync or NVIDIA G-Sync Compatible 対応
多ポート USB
=== 任意要件 ===
IPMI があるといいなぁ
コンパクトかつ静音 (スペック次第では妥協する)
5G 以上のネットワーク インターフェース
== コンセプト ==
=== デスクトップ PC として導入する ===
AI 絵の生成をやってみたい。
=== 長期に渡って使用できる・個別にアップグレードできること ===
申し訳ないが Socket がころころ変わりまくる Intel は NG.
デスクトップ PC 退役後に、サーバとして余生を送らせると、長期に渡って使用できため、投資効率が良い。
=== サーバにしたときに、多コア・多メモリ・100G NIC を搭載できるとベター ===
ESXi : NSX-T が検証できる程度には・・・
EVE-NG : メモリ使用量の多い VM で BGP-EVPN を組めること
Intel DPDK : 100G NIC を挿して、Cisco Trex でトラフィック ジェネレートしたい
* PCIe のレーン数が多く必要
=== コンパクトかつ静音性に優れること ===
できれば Mini-ITX で組みたいが・・・
価格・パフォーマンスが良いなら、ある程度大きくても良し。
自作 PC の ATX ミドルタワー サイズは NG.
最大でも Micro-ATX マザー向けサイズのケースで。
冷却は簡易水冷か Noctua でコストをかけて、静音性を確保する。
=== 価格とパフォーマンスのバランスが優れていること ===
現在使用している ThinkCentre M715q Ryzen5 2400GE Pro 4C8T の Passmark 7555 を超えること。
6 コア以上は必須。中古で安く or ThinkCentre M75q-2 のように新品でも安い機種を選定する。
== 選定した主要ハードウェア ==
上記を元に選定した結果、中古の AMD EPYC を主軸にした構成とした。
特にケースに Q500L が見つかったことで、ATX でも Mircro-ATX サイズでコンパクトになるのが大きかった。
{| class="wikitable"
|+主要部品
!種類
!メーカー
!型式
!スペック
!備考
|-
|CPU
|AMD
|EPYC 7282
|16C32T
|
|-
|MB
|SuperMicro
|H11SSL or H12SSL
|
|
|-
|MEM
|
|DDR4
|8GB or 16GB x 4
|
|-
|GPU
|NVIDIA
|GeForce RTX 3060
|
|
|-
|Case
|Cooler Master
|Q500L
|
|
|-
|PS
|
|
|650W
|
|}
AI 絵は RTX3060 12G が入門向けらしいが、もっと安いのにしたかった・・・
== 他のハードウェアを選定しなかった理由 ==
=== Intel Core ===
* 12 世代の E コアに ESXi が対応していない
* E コアについて、サーバ OS のプロセス スケジューリングの情報が少ない
* 世代ごとに Socket が変わりすぎ  中古 CPU でアップグレードしづらい
=== Intel Xeon ===
* 前回組んだのでパス
** 中華マザーで安く組むとコスト パフォーマンスが良い (前にやった)
* 多コア狙いだと、2 Socket = 高コスト + E-ATX or SSI-EEB のでかいケースになるのが痛い
* 今後の新型のアーキテクチャが、ビッグコアで期待薄
=== AMD Ryzen ===
* ESXi に公式対応しない
** HCL (Hardware Compatibility List) に Ryzen が無い
** Intel NIC が無い
* 新品マザーボードが高すぎる
* DDR5 でコスト・帯域幅のメリットを享受できるのは、まだまだ先
* PCIe のレーン数が 24 と少ない
=== Mini-ITX ===
* EPYC で Mini-ITX はキワモノで、価格が高すぎるしメモリスロットも少ない
* Ryzen / EPYC Embeded も探していたが、コストパフォーマンスが良くない
** マザーは高いし CPU がオンボードで交換できない
{| class="wikitable"
|+CPU 比較まとめ (2023/11)
!比較ポイント
!EPYC 7282
!Core-i 5
14600K
!Ryzen 7
7800X3D
|-
|価格
|'''17,277'''
|49,800
|51,307
|-
|コア数
|'''16'''
|P : 6-8
E : 8-16
|8
|-
|Passmark
|29496
|'''39972'''
|34473
|-
|最大メモリ
|'''2TB'''
'''(コスト面で現実的なのは'''
'''256GB 程度)'''
|192GB
|128GB
|-
|PCIe レーン数
|'''128 (4.0)'''
(H11SSL は 3.0 まで)
|20 (5.0)
|28 (4.0)
|}
== メリット ==
== メリット ==


=== 16 コア + 64GB メモリ搭載機としては安い ===
=== 16 コア + 64GB メモリ搭載機としては安い ===
CPU / MB / メモリ / ケース / 電源の最小構成で 10 万円程度。
CPU / MB / メモリ / NVMe / ケース / 電源の最小構成で 10 万円程度。


=== CPU / メモリのアップグレード パスが豊富 ===
=== 大量のメモリ ===
64 コア
8 スロットあると 8GB x 8 や 16GB x 4 のように選択肢が多く取れるし、中古の DDR4 ECC Reg が今後安くなることが見込まれる。


256GB (32G x 8)
新品で DDR5 8 枚挿しマザーは、価格が高すぎるためパス。
 
=== 将来的に CPU / メモリのアップグレード パスが豊富 ===
中古の CPU 32 or 64 コア・メモリ 256GB (32G x 8) を、現実的なコストで狙えるマザーボード。
 
それぞれ 2-3 万円くらいの市場価格に下落 + サーバに退役するタイミングで購入か。


=== IPMI でリモート電源 Off / On , 温度監視 ===
=== IPMI でリモート電源 Off / On , 温度監視 ===
サーバにしたときにリモートで電源 On して検証、終了後に電源 Off できるのは大きい。
ここは PiKVM で代替も可能だった。


=== 静音性が高い ===
=== 静音性が高い ===
ここはコストをかけて Noctua メインに。通常時はほぼ無音、GPU 使用時に少し音がするくらい。
ここはコストをかけて Noctua メインに。通常時はほぼ無音、GPU 使用時に少し音がするくらい。
== デメリット ==
== デメリット ==


=== そのままでは Windows11 非対応 ===
=== そのままでは Windows11 非対応 ===
TPM2.0 モジュール
EPYC 7002 世代は Windows11 に対応しているが、要 TPM2.0 モジュール追加。


=== 高いアイドル消費電力 ===
=== 高いアイドル消費電力 ===
Ryzen9 と同じくらいで 100W 程度
全体で 100W 程度。第 7 世代 Ryzen9 搭載機と同じくらいと考えると、EPYC だから高いというわけでは無さそう。


=== S3 スタンバイ非対応・起動が遅い ===
=== S3 スタンバイ非対応・起動が遅い ===
サーバ用 CPU / マザーゆえ致し方なし
サーバ用 CPU / マザーゆえ致し方なし。
 
=== 低いメモリの単体帯域幅 ===
今どき DDR4-2133 は見たこと無い。。筆者は体感できないのでヨシ !
 
* DDR4-3200 ECC Reg は価格が高かった・セット品の選択肢になかった
 
ただクアッドチャネルで動かして 17GB/s x 4ch = 68GB/s になるので、Ryzen のデュアルチャネル DDR5-5600 65.68GB/s と同じくらいで悪くない。
 
== 詳細な構成 ==
 
=== 購入先リスト ===
Amazon : 大体ここ
 
eBay : CPU / MB / Memory
 
Tsukumo : Noctua
 
=== 構成リスト ===
{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
|+EPYC デスクトップ PC
|+EPYC デスクトップ PC
44行目: 256行目:
|1
|1
| rowspan="3" |64,430
| rowspan="3" |64,430
|中古 eBay 3 点セット
| rowspan="3" |中古 eBay 3 点セット
これ以外は新品
|-
|-
|マザー
|マザー
55行目: 268行目:
M.2 Interface: 1 PCI-E 3.0 x4
M.2 Interface: 1 PCI-E 3.0 x4
|1
|1
|
|-
|-
|メモリ
|メモリ
66行目: 278行目:
17GB/s
17GB/s
|4
|4
|
|-
|-
|SSD
|SSD
184行目: 395行目:
|3,280
|3,280
3,080
3,080
|
|L.N.A. で回転数低下
|-
|-
|排気ファン
|排気ファン
192行目: 403行目:
|
|
|  -
|  -
|Q500L 付属
|ケース Q500L に付属
L.N.A. で回転数低下
|-
|-
|ファン関係
|ファン関係

2023年12月6日 (水) 12:41時点における版

デスクトップ PC として AMD EPYC 搭載機を構築したので、選定理由も含めてまとめました。

現状のユースケース

Web ブラウジング

  • Youtube / ニコニコ動画

3D ゲームはやらない、レトロを含む 2D ゲームはあり

  • 2D 格闘ゲームで低遅延は狙う

ハードウェア要件

必須要件

多コア・多メモリにアップグレードできる

ディスクリート GPU

  • 4K を含むマルチディスプレイ : できれば 4 つ
  • 4K120fps 対応
  • AMD FreeSync or NVIDIA G-Sync Compatible 対応

多ポート USB

任意要件

IPMI があるといいなぁ

コンパクトかつ静音 (スペック次第では妥協する)

5G 以上のネットワーク インターフェース

コンセプト

デスクトップ PC として導入する

AI 絵の生成をやってみたい。

長期に渡って使用できる・個別にアップグレードできること

申し訳ないが Socket がころころ変わりまくる Intel は NG.

デスクトップ PC 退役後に、サーバとして余生を送らせると、長期に渡って使用できため、投資効率が良い。

サーバにしたときに、多コア・多メモリ・100G NIC を搭載できるとベター

ESXi : NSX-T が検証できる程度には・・・

EVE-NG : メモリ使用量の多い VM で BGP-EVPN を組めること

Intel DPDK : 100G NIC を挿して、Cisco Trex でトラフィック ジェネレートしたい

  • PCIe のレーン数が多く必要

コンパクトかつ静音性に優れること

できれば Mini-ITX で組みたいが・・・

価格・パフォーマンスが良いなら、ある程度大きくても良し。

自作 PC の ATX ミドルタワー サイズは NG.

最大でも Micro-ATX マザー向けサイズのケースで。

冷却は簡易水冷か Noctua でコストをかけて、静音性を確保する。

価格とパフォーマンスのバランスが優れていること

現在使用している ThinkCentre M715q Ryzen5 2400GE Pro 4C8T の Passmark 7555 を超えること。

6 コア以上は必須。中古で安く or ThinkCentre M75q-2 のように新品でも安い機種を選定する。

選定した主要ハードウェア

上記を元に選定した結果、中古の AMD EPYC を主軸にした構成とした。

特にケースに Q500L が見つかったことで、ATX でも Mircro-ATX サイズでコンパクトになるのが大きかった。

主要部品
種類 メーカー 型式 スペック 備考
CPU AMD EPYC 7282 16C32T
MB SuperMicro H11SSL or H12SSL
MEM DDR4 8GB or 16GB x 4
GPU NVIDIA GeForce RTX 3060
Case Cooler Master Q500L
PS 650W

AI 絵は RTX3060 12G が入門向けらしいが、もっと安いのにしたかった・・・

他のハードウェアを選定しなかった理由

Intel Core

  • 12 世代の E コアに ESXi が対応していない
  • E コアについて、サーバ OS のプロセス スケジューリングの情報が少ない
  • 世代ごとに Socket が変わりすぎ 中古 CPU でアップグレードしづらい

Intel Xeon

  • 前回組んだのでパス
    • 中華マザーで安く組むとコスト パフォーマンスが良い (前にやった)
  • 多コア狙いだと、2 Socket = 高コスト + E-ATX or SSI-EEB のでかいケースになるのが痛い
  • 今後の新型のアーキテクチャが、ビッグコアで期待薄

AMD Ryzen

  • ESXi に公式対応しない
    • HCL (Hardware Compatibility List) に Ryzen が無い
    • Intel NIC が無い
  • 新品マザーボードが高すぎる
  • DDR5 でコスト・帯域幅のメリットを享受できるのは、まだまだ先
  • PCIe のレーン数が 24 と少ない

Mini-ITX

  • EPYC で Mini-ITX はキワモノで、価格が高すぎるしメモリスロットも少ない
  • Ryzen / EPYC Embeded も探していたが、コストパフォーマンスが良くない
    • マザーは高いし CPU がオンボードで交換できない
CPU 比較まとめ (2023/11)
比較ポイント EPYC 7282 Core-i 5

14600K

Ryzen 7

7800X3D

価格 17,277 49,800 51,307
コア数 16 P : 6-8

E : 8-16

8
Passmark 29496 39972 34473
最大メモリ 2TB

(コスト面で現実的なのは

256GB 程度)

192GB 128GB
PCIe レーン数 128 (4.0)

(H11SSL は 3.0 まで)

20 (5.0) 28 (4.0)

メリット

16 コア + 64GB メモリ搭載機としては安い

CPU / MB / メモリ / NVMe / ケース / 電源の最小構成で 10 万円程度。

大量のメモリ

8 スロットあると 8GB x 8 や 16GB x 4 のように選択肢が多く取れるし、中古の DDR4 ECC Reg が今後安くなることが見込まれる。

新品で DDR5 8 枚挿しマザーは、価格が高すぎるためパス。

将来的に CPU / メモリのアップグレード パスが豊富

中古の CPU 32 or 64 コア・メモリ 256GB (32G x 8) を、現実的なコストで狙えるマザーボード。

それぞれ 2-3 万円くらいの市場価格に下落 + サーバに退役するタイミングで購入か。

IPMI でリモート電源 Off / On , 温度監視

サーバにしたときにリモートで電源 On して検証、終了後に電源 Off できるのは大きい。

ここは PiKVM で代替も可能だった。

静音性が高い

ここはコストをかけて Noctua メインに。通常時はほぼ無音、GPU 使用時に少し音がするくらい。

デメリット

そのままでは Windows11 非対応

EPYC 7002 世代は Windows11 に対応しているが、要 TPM2.0 モジュール追加。

高いアイドル消費電力

全体で 100W 程度。第 7 世代 Ryzen9 搭載機と同じくらいと考えると、EPYC だから高いというわけでは無さそう。

S3 スタンバイ非対応・起動が遅い

サーバ用 CPU / マザーゆえ致し方なし。

低いメモリの単体帯域幅

今どき DDR4-2133 は見たこと無い。。筆者は体感できないのでヨシ !

  • DDR4-3200 ECC Reg は価格が高かった・セット品の選択肢になかった

ただクアッドチャネルで動かして 17GB/s x 4ch = 68GB/s になるので、Ryzen のデュアルチャネル DDR5-5600 65.68GB/s と同じくらいで悪くない。

詳細な構成

購入先リスト

Amazon : 大体ここ

eBay : CPU / MB / Memory

Tsukumo : Noctua

構成リスト

EPYC デスクトップ PC
大項目 小項目 メーカー 型式 主要スペック 価格 備考
主要部品 CPU AMD EPYC 7282 2.8 - 3.2 Ghz

16 コア 32 スレッド

1 64,430 中古 eBay 3 点セット

これ以外は新品

マザー SuperMicro MBD-H11SSL-C

H11SSL-C

3 PCI-E 3.0 x16

3 PCI-E 3.0 x8

M.2 Interface: 1 PCI-E 3.0 x4

1
メモリ Samsung M393A2G40DB0-CPB2Q

DDR4-2133 ECC Registered

16GB

2133Mhz

17GB/s

4
SSD Samsung MZ-V7S2T0B/EC

970 EVO Plus

M.2 2280

2TB

3,500MB/秒

1 13,720
MB 搭載 グラフィックボード MSI GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC

VD7553

VRAM 12GB 1 39,191
USB カード Inateck KU5211

3 x USB Type-A

2 x USB Type-Cポート

PCIe USB 3.2 Gen 2

帯域幅20 Gbps

1 4,799
ネットワーク Intel X520-DA2 10G SFP+ x2 1 7,277
TPM Supermicro AOM-TPM-9655V TPM 1.2 1 1,664
USB ブラケット CHENYANG 2 ポート 1 1,101
ケース系 電源 玄人志向 KRPW-BK650W/85+ 650W 120mm ファン

80PLUS認証 BRONZE

セミプラグイン

1 7,673
ケース Cooler Master MCB-Q500L-KANN-S01

MasterBox Q500L

386 (L) x 230 (W) x 381 (H) mm

ATX

1 7,874 ATX 対応で最小クラスの体積
冷却系 CPU クーラー Noctua NH-U12S TR4-SP3 最大ノイズ 22.4 dBA

回転数 300 - 1500 rpm

1 12,980
CPU グリス 親和産業 SMZ-01R

OC Master

1 1,028
上部吸気ファン Noctua NF-A14-PWM 120x25mm

回転速度:1500 RPM

回転速度:1200 RPM (L.N.A使用時)

回転速度:300 RPM (最小回転速度)

140.2 m3/h (スタンダード)

115.5 m3/h (L.N.A使用時)

2 3,280

3,080

L.N.A. で回転数低下
排気ファン ? ? 120x25mm - ケース Q500L に付属

L.N.A. で回転数低下

ファン関係 SilverStone SST-CPF05 PWM制御 ファン回転数減速ケーブル 1 1,210
ソフトウェア OS Microsoft Windows 11 Home 日本語版 1 15,336
ライセンス SuperMicro SFT-OOB-LIC BIOS を IPMI からアップデート 1 3,754 Non-boot 領域をふっとばしたので購入

結果的には必要なかった

Wiredzone 産