「Catalyst 9350 スイッチ移行設計」の版間の差分

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ファイバポート搭載モデルは 2025 年 6 月の時点でまだ存在しないため、9300X を提案することになります。
ファイバポート搭載モデルは 2025 年 6 月の時点でまだ存在しないため、9300X を提案することになります。
== リファレンス ==
[https://www.cisco.com/site/us/en/products/collateral/networking/switches/c9350-series-smart-switches/c9350-series-smart-switches-ds.html Cisco C9350 Series Smart Switches Data Sheet]
[https://www.cisco.com/site/us/en/products/collateral/networking/switches/c9610-series-smart-switches/c9610-series-smart-switches-ds.html Cisco C9610 Series Smart Switches Data Sheet]
[https://www.cisco.com/c/en/us/products/collateral/switches/catalyst-9000-switches/c9000-smart-switches-faq.html?dtid=osscdc000283&linkclickid=srch Cisco C9000 Smart Switching Platform FAQ]


== 引用 ==
== 引用 ==

2025年6月17日 (火) 08:43時点における版

UADP ASIC 搭載の Catalyst 3850 / 9300 が今までリリースされてきましたが、2025/06/10 に Silicon One ASIC 搭載である、新型の Catalyst 9350 の情報が公開されました。

このページでは、C9300 と C9350 を比較し、移行するために必要な情報を記載します。

移行に当たり、既存である C9300 の情報は Catalyst 9000 スイッチ設計 にまとめてあります。


以下の情報を元にしています。

比較表

Perplexity AI さんにまとめてもらった + 追記したところ、以下になりました。

項目 Catalyst 9300/9300X Catalyst 9350
ASIC UADP 2.0/2.0sec Silicon One A100 (エンタープライズ市場で初)
最大スタック台数 8 8 - 12

(12 台は当初サポートしない)

スタック アーキテクチャ プロプライエタリ リングベース スタック L3 SPF / ECMP / VXLAN 標準技術ベース スタック
スタック帯域幅 480 Gbps / 1 Tbps (9300X) 1.6 Tbps
スタック ケーブリング リング接続 フレキシブル接続
スタック障害時帯域幅 スタック全体が半二重に縮退 スタックポートがダウンのスイッチのみ半二重に縮退
電源 2 つ 3 つ
ファン 3 つ ホットスワップ対応 3 つ

方向オプションあり

  • フロント to バック
  • バック to フロント
最大ポート数 48 (mGig/10G/1G)、最大384 (8台スタック) 48 (mGig/10G/1G)、最大 576 (12台スタック)
PoE密度 90W UPOE+ 最大48 (単体)、384(8台) 90W UPoE+ 最大48 (単体)、576 (12台)
アップリンク 1G/10G/25G/40G/100G (モデルによる) 1G/10G/25G/40G/50G/100G

アップリンクモジュールは C9300 と互換性なし

管理/運用 IOS XE , Catalyst Center , Meraki monitoring IOS XE , Catalyst Center , Meraki monitoring/management

BOX 型スイッチにも、ついに電源 3 つ搭載になりました。1 ポート 90W の PoE に対応するため、電源容量が必要だったということでしょう。

スタック帯域幅もだいぶ強化されて 1.6 Tbps となり、C9300 のケーブルとは異なるケーブルとなっています。

  • C9300 : STACK-T1-50CM=
  • C9350 : STACK-T1A-50CM=

2025 年までにリリースされた Silicon One ASIC 搭載機は低速側がすべて 10 G までであり、1 G 以下はリンクアップしませんでした。

  • 基本 1G はリンクアップしない
  • 10 G -> 1 G 減速専用 SFP のみ 1 G でリンクアップ

このため、Silicon One ASIC として初の 1 G ネイティブ対応ポート搭載機になります。

ユニファイド管理

Catalyst 9300 は Meraki の MS スイッチとハードウェアが分かれていましたが、今回からモード切替で Meraki と IOS-XE の両方に対応できるハードウェアとなりました。

  • おそらくインストールする OS で、モードを切り替えるパターンと思われます

クラウド管理 - Meraki

-M の SKU でオーダーすると、Meraki クラウド管理で ZTP できるように出荷してもらえる模様。

クラウド オペレーティングモード

Meraki のクラウド UI からコンフィギュレーション・管理・モニタリングを実施するモード。

IOS-XE CLI は Meraki のクラウドから、読み取りのみでトラブルシュートに利用可能。

ハイブリッド オペレーティング モード

Meraki クラウドからコンフィギュレーション・管理・モニタリングを実施できるモード。

IOS-XE CLI は Meraki クラウドから読み書き (ここの書き込みはコンフィギュレーションを意味すると思われる) 両方が実施できる。

また、CLI の SSH/telnet も利用可能。


ハイブリッドモードは最初のリリースではサポートされません。[1]

オンプレミス管理 - Meraki

Meraki ダッシュボードでインベントリとライセンス管理が可能です。

従来のコンソールや CLI 管理はここにカテゴライズされています。

オンプレミス管理 - Catalyst Center

Catalyst Center (旧 DNA Center) で管理します。

価格がお高い・機能豊富・OS フットプリントがでかいため、ラージエンタープライズで少なくとも 100 台以上管理しているようなユーザに向いていると思われます。

サイズ

Perplexity さんに ry)

項目 C9300 シリーズ C9350 シリーズ
高さ 44.5 mm(1RU) 44.5 mm(1RU)
445 mm 445 mm
奥行き 460~462 mm(モデル差) 460 mm
重量 7.1~8.6 kg(構成差) 約 8.6 kg(48ポート時)

ポイント

  • どちらも 1RU サイズで、幅・高さは同一です。
  • 奥行きはほぼ同等(最大で2mm 程度の差)。
  • 重量は C9350 がやや重い傾向ですが、構成によってはほぼ同等です。

設置・運用上は、物理サイズに大きな違いはありません。


奥行きの長さで困るといった心配はなさそうです。

電源

3 つ搭載かつ 1600W 電源も存在するため、PoE で Wi-Fi7 の Wireless AP を多数収容する、という場合は電源工事が必要になる可能性が高いです。

帯域幅

ASIC あたりの最大帯域幅はスイッチング 500 Gbps , スタック接続 800 Gbps です。

アップリンク モジュール

SKU により最大帯域幅が異なるため、モジュールの互換性に差がありそうですが、まだ情報は無いようです。

  • Cisco C9350-48TX supports up to 400 G of aggregate uplink bandwidth.
  • Cisco C9350-48P supports modular uplinks delivering up to 200 Gbps of total uplink bandwidth.

ASIC の搭載数によって異なっており、HX/TX だと 2 個で 400G [2], 他は 1 個で 200G [3] となります。

C9350-NM-4C

100G x 4 ポートのため、ASIC を 2 個搭載した HX/TX モデル専用になりそうです。

ダウンリンクが 10G x 48 ポートのため、ダウンリンクをフルに使うと 1.2:1 のオーバーサブ比となります。

C9350-NM-2C

100G x 2 ポートモデル。おそらくどのモデルにも搭載可能。

ダウンリンク 5 G x 48 ポートで 240 Gbps なので、こちらも 1.2:1 のオーバーサブ比に。

ほとんどの場合はこちらで十分と思われます。

C9350-NM-8Y

10 / 25G x 8 のアップリンク モジュールですが、新たに 50G x 4 に対応しました。[4]

50G モードだと 5-8 番のポートは無効になります。[5]

おそらくどのモデルにも搭載可能。

機能

EVPN / SDA 関連は、まだまだこれから実装 [6] の模様。

また、C9300X は UADP2.0sec ASIC で IPsec に対応しましたが、2025/10 時点の C9350 は全くサポートしていないため、移行できません。

Silicon One A100 自体は IPsec 暗号化エンジンを持っているため、将来的にはサポートされる可能性があります。


また、エンタープライズのローエンド LAN スイッチとして、初めて Silicon One が採用されたため、レイヤ 2 フィーチャの安定性と互換性はこれからではないかと思われます。

互換性の面では、例えば REP や FlexLink+ が実装されていません。

  • C9500X / C9600X でエンタープライズ スイッチに Silicon One が初採用されましたが、コアやディストリビューションで使用されるため、ルーティング プロトコルはある程度枯れていると考えられる

スケール

2024-10-06 Catalyst1000 2960CX 3560CX 9000 サイジング比較表 に追記します。

全体的に Silicon One は非常にスケールが大きいため、問題になる可能性は低そうです。

スタック

Catalyst 9300 のスタックはリングバスのアーキテクチャを採用していました。

ASIC 1 個あたりスイッチング 500 Gbps , スタック部は、800 Gbps との記載がありますが、StackWise-1.6T という記載もあります。どちらが正しいのでしょうか ? という人は以下を確認してみてください。


StackWise-480 は、以下の帯域幅を持っていました。

  • 物理 40 Gbps x 3 リンク = 120Gbps = 全二重 240Gbps = 空間再利用 480 Gbps

StackWise-1.6T は上記に習うと、以下の帯域幅となりそうです。

  • 物理 100 Gbps x 4 リンク ? = 400 Gbps = 全二重 800 Gbps = L3 SPF 1600 Gbps


空間再利用 (Spatial Reuse Protocol) は、スタックの台数が多い場合、最短距離となる経路を使用することで、見かけ上の帯域幅が大きくなるメカニズムを意味しています。

  • 最短距離以外の経路の帯域幅を消費しなくなる分、トクをする

L3 SPF は Shortest Path First を意味していると思われ、OSPF と同じようなパス選択となるでしょう。

例えば一番ホップ数が多いスイッチ同士の通信であっても、右回りでユニキャスト通信した場合には、左回りの経路は使用しないため、見かけ上の帯域幅が大きくなります。

このためブロードキャスト通信やマルチキャスト通信では、空間再利用の恩恵は受けられません。

SKU

どの SKU を選択する ?

ASIC 2 個搭載

HX/TX : 1/2.5/5/10G のマルチギガビットならこちら

  • HX は 90W PoE なので、Wi-Fi7 で最大速度を狙うモデルと言えそう
  • TX は PoE なし

ASIC 1 個搭載

U : 1G 60W PoE

P : 1G 30W PoE

T : 1G PoE なし


ファイバポート搭載モデルは 2025 年 6 月の時点でまだ存在しないため、9300X を提案することになります。

リファレンス

Cisco C9350 Series Smart Switches Data Sheet

Cisco C9610 Series Smart Switches Data Sheet

Cisco C9000 Smart Switching Platform FAQ

引用

  1. Management Hybrid mode capability will be able in a future release
  2. Models and specifications Cisco C9350-48HX is powered by dual Silicon One A100 ASICs Cisco C9350-48TX is powered by dual Silicon One A100 ASICs
  3. Models and specifications Cisco C9350-48U integrates a single Silicon One A100 ASIC Cisco C9350-48U supports modular uplinks delivering up to 200 Gbps of total uplink bandwidth to accommodate high-throughput aggregation and core connections. Cisco C9350-48P integrates a single Silicon One A100 ASIC Cisco C9350-48P supports modular uplinks delivering up to 200 Gbps of total uplink bandwidth.
  4. C9350-NM-8Y highlights Cisco C9350-NM-8Y delivers up to 200 Gbps of total uplink bandwidth with 8x 25G/10G/1G or 4x 50G ports.
  5. C9350-NM-8Y highlights Cisco C9350-NM-8Y can be converted to 50G mode, with ports 5–8 automatically set to inactive when enabled, offering enhanced bandwidth for demanding applications.
  6. Table 11. Feature highlights for Cisco C9350 Series Smart Switches