Catalyst 9350 スイッチ移行設計

提供:hkatou_Lab
2025年6月16日 (月) 09:00時点におけるHkatou (トーク | 投稿記録)による版
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UADP ASIC 搭載の Catalyst 3850 / 9300 が今までリリースされてきましたが、2025/06/10 に Silicon One ASIC 搭載である、新型の Catalyst 9350 の情報が公開されました。

このページでは、9300 と 9350 を比較し、移行するために必要な情報を記載します。


移行に当たり、既存である 9300 の情報は Catalyst 9000 スイッチ設計 にまとめてあります。


以下の情報を元にしています。

比較表

Perplexity AI さんにまとめてもらった + 追記したところ、以下になりました。

項目 Catalyst 9300/9300X Catalyst 9350
ASIC UADP 2.0/2.0sec Silicon One A100(エンタープライズ初)
最大スタック台数 8 8
スタック帯域幅 480 Gbps / 1 Tbps (9300X) 1.6 Tbps
最大ポート数 48(mGig/10G/1G)、最大384(8台スタック) フルmGig、90W PoE(詳細未記載
電源 2 つ 3 つ
PoE密度 90W UPOE+ 最大48(単体)、384(8台) 90W PoE(高密度)
アップリンク 1G/10G/25G/40G/100G(モデルによる) 1G/10G/25G/40G/50G/100G
管理/運用 IOS XE、DNA Center、Meraki 統一ハード/ソフト/サポート

BOX 型スイッチにも、ついに電源 3 つ搭載になりました。1 ポート 90W の PoE に対応するため、電源容量が必要だったということでしょう。

スタック帯域幅もだいぶ強化されて、1.6 Tbps となり、C9300 のケーブルとは異なるケーブルとなっています。

  • C9300 : STACK-T1-50CM=
  • C9350 : STACK-T1A-50CM=

ユニファイド管理

2 つのオペレーティング モードに対応しています。

クラウド オペレーティングモード

Meraki のクラウド UI からコンフィギュレーション・管理・モニタリングを実施するモード。

IOS-XE CLI は Meraki のクラウドから読み取りのみでトラブルシュートに利用可能。

ハイブリッド オペレーティング モード

Meraki クラウドからコンフィギュレーション・管理・モニタリングを実施できるモード。

IOS-XE CLI は Meraki クラウドから読み書き (ここの書き込みはコンフィギュレーションを意味すると思われる) 両方が実施できる。

また、CLI の SSH/telnet も利用可能。


ハイブリッドモードは最初のリリースではサポートされません。[1]

サイズ

Perplexity さんに ry)

項目 C9300 シリーズ C9350 シリーズ
高さ 44.5 mm(1RU) 44.5 mm(1RU)
445 mm 445 mm
奥行き 460~462 mm(モデル差) 460 mm
重量 7.1~8.6 kg(構成差) 約 8.6 kg(48ポート時)

ポイント

  • どちらも1RUサイズで、幅・高さは同一です。
  • 奥行きはほぼ同等(最大で2mm程度の差)。
  • 重量はC9350がやや重い傾向ですが、構成によってはほぼ同等です。

設置・運用上は、物理サイズに大きな違いはありません。


奥行きの長さで困るといった心配はなさそうです。

電源

3 つ搭載かつ 1600W 電源も存在するため、PoE で Wireless AP を多数収容する、という場合は電源工事が必要になる可能性が高いです。

帯域幅

アップリンク モジュール

SKU により最大帯域幅が異なるため、モジュールの互換性に差がありそうですが、まだ情報は無いようです。

  • Cisco C9350-48TX supports up to 400G of aggregate uplink bandwidth.
  • Cisco C9350-48P supports modular uplinks delivering up to 200 Gbps of total uplink bandwidth.

ASIC の搭載数によって異なっており、HX/TX だと 2 個で 400G [2], 他は 1 個で 200G [3] となります。

C9350-NM-4C

100G x 4 ポートのため、ASIC を 2 個搭載した HX/TX モデル専用になりそうです。

ダウンリンクが 10G x 48 ポートのため、1.2:1 のオーバーサブ比となります。

C9350-NM-2C

100G x 2 ポートモデル。おそらくどのモデルにも搭載可能。

C9350-NM-8Y

10 / 25G x 8 のアップリンク モジュールですが、新たに 50G x 4 に対応しました。[4]

50G モードだと 5-8 番のポートは無効になります。[5]

おそらくどのモデルにも搭載可能。

機能

EVPN / SDA 関連は、まだまだこれから実装 [6] の模様。

C9300X は UADP2.0sec ASIC で IPsec に対応しましたが、C9350 は全くサポートしていないため、移行できません。

スケール

2024-10-06 Catalyst1000 2960CX 3560CX 9000 サイジング比較表 に追記します。

全体的に Silicon One は非常にスケールが大きいため、問題になる可能性は低そうです。

スタック

スイッチング 500 Gbps , スタック部は、800 Gbps との記載がありますが、StackWise-1.6T という記載もあります。どちらが正しいのでしょうか ?


StackWise-480 は、以下の帯域幅を持っていました。

  • 物理 40 Gbps x 3 リンク = 120Gbps = 全二重 240Gbps = 空間再利用 480 Gbps

StackWise-1.6T は上記に習うと、以下の帯域幅となりそうです。

  • 物理 100 Gbps x 4 リンク ? = 400 Gbps = 全二重 800 Gbps = 空間再利用 1600 Gbps

空間再利用は、スタックの台数が多い場合、最短距離となるリンクを使用することで、見かけ上の帯域幅が大きくなるメカニズムを意味しています。

SKU

どの SKU を選択する ?

HX/TX : 1/2.5/5/10G のマルチギガビットならこちら

  • HX は 90W PoE なので、Wi-Fi7 で最大速度を狙うモデルと言えそう
  • TX は PoE なし

U : 1G 60W PoE

P : 1G 30W PoE

T : 1G PoE なし


ファイバポート搭載モデルは 2025 年の時点でまだ存在しないため、9300X を提案することになります。

引用

  1. Management Hybrid mode capability will be able in a future release
  2. Models and specifications Cisco C9350-48HX is powered by dual Silicon One A100 ASICs Cisco C9350-48TX is powered by dual Silicon One A100 ASICs
  3. Models and specifications Cisco C9350-48U integrates a single Silicon One A100 ASIC Cisco C9350-48U supports modular uplinks delivering up to 200 Gbps of total uplink bandwidth to accommodate high-throughput aggregation and core connections. Cisco C9350-48P integrates a single Silicon One A100 ASIC Cisco C9350-48P supports modular uplinks delivering up to 200 Gbps of total uplink bandwidth.
  4. C9350-NM-8Y highlights Cisco C9350-NM-8Y delivers up to 200 Gbps of total uplink bandwidth with 8x 25G/10G/1G or 4x 50G ports.
  5. C9350-NM-8Y highlights Cisco C9350-NM-8Y can be converted to 50G mode, with ports 5–8 automatically set to inactive when enabled, offering enhanced bandwidth for demanding applications.
  6. Table 11. Feature highlights for Cisco C9350 Series Smart Switches